生徒の旅券、教諭紛失 修学旅行に参加できず/川口工業高
埼玉新聞 2013年2月4日(月)22時59分配信
県教育委員会は4日、県立川口工業高校の40代の男性教諭が、海外修学旅行を前に担任する2年生のクラス(28人)の生徒から預かったパスポートのうち1冊を紛失し、男子生徒1人が修学旅行に参加できなかったと発表した。保管していた机には、鍵を掛けていなかったという。
県教委によると、同校は今回初めて海外修学旅行(1月29日〜2月1日、台湾)を実施。生徒が当日にパスポートを忘れないようにと、学校の方針で各担任が事前に生徒からパスポートを集めていた。
男性教諭は職員室と学科準備室の机の引き出しの2カ所にパスポートを保管。男子生徒のパスポートは1月中旬に受け取り、準備室の机に入れていた。数日後に確認したところ、紛失が発覚。出発日前日まで1週間近く1人で捜していたが発見できず、生徒と保護者に謝罪した。
男性教諭は学校側に状況を伝えず、台湾に出発。参加予定だった男子生徒が学校に登校したため、問題が発覚した。学校側は校内を捜索後、川口警察署に遺失物届を提出。保護者了解の下、パスポートを失効させる手続きを取った。修学旅行の引率に当たっていた校長は帰国後、保護者に謝罪した。
県立高校で教諭がパスポートを紛失し、生徒が修学旅行に行けなかったケースは初めて。男性教諭は「見つかると思って最後まで捜してしまった。本当に申し訳ないことをした」と話しているという。
県教委は「管理が不十分だった。今後は全県立学校に対して、通知や校長会などを通じ、個人情報の管理を徹底するよう指示する」としている。